「宗次郎が来たー―!」
「宗次郎鬼やってよー!」
「え~!嫌ですよぉ!じゃんけんしましょう!」
私は10歳も年下のあの子に励まされたのかぁ。
一見まだ幼いけど、あの子が一番大人なのかもしれない。
ザァァァァァ…
たくさんの落葉が散る。
私にしかできないこと…かぁ。探してみようかな。
私にしかできないこと。虛擬辦公室及註冊地址| 節省租金提升形象| easyCorp公司易
それに最後立ち上がる前に沖田くんが良いこと教えてくれたしな。
『土方さんもあなたが好きで作った句があるんです。水の北山の南や春の月…内緒ですよ!』
山南はクスリと笑うと呟いた。
「敵わないなぁ」
「わかったら二度とすんなよ馬鹿!」
「は~い…」
なんで私だけこんな…
まぁ言わないけど…。
日が暮れても土方の長い説教は続いており、ようやく終わった。
「今日は帰って良し。隊士の部屋掃除しろよ」
「はいはい~。ありがとーございましたぁ!」
かなり嫌味ったらしく美海は言うと、部屋を出た。
ガラッ
ピシャッ
「もっと静かに閉めろ!」
美海は土方の怒鳴り声が聞こえると、一目散に隊士の部屋へと走った。
「ったくあいつらはろくなことしねぇ…」
「まぁそれが美海くんだからねぇ」
「ぅわ!山南さん!」
土方は思わず持っていた筆を落とす。
部屋には山南が立っていた。
「それは今度の地図かい?」
「あぁ。過激派の攘夷志士が潜んでる。ここを攻めようとな」
土方は地図の大きな屋敷を指す。
土方は昔から地図を書く才があるらしく、精密な地図を書く。すごいことに誰が見ても分かる。
「そうか…ならこの道筋よりもこうしたほうがいい。挟み撃ちされる可能性もぐんと減る」
山南は元々赤く線が引いていたのとは別の道筋を指でなぞる。
「確かに…。近くに潜伏されそうな小道もない。ありがとな山南さん」
流石山南さんだ。
土方は真剣な顔からニッと笑う。
「いやいや」
山南も微笑んだ。
土方は近くにあった茶を啜る。
やっぱ山南さんは伊東なんぞのとこにゃいかねぇ。
「今年も綺麗に紅葉したね。良い句はできそうかい?」
「ぶっ!げほっ!ごふっげぇっほぉっ!な…なんで!?」
土方はお茶を吹き出した。
また一人、土方の秘密を知る者が現れた。
パチ
むくっ
「ふゎぁあぁ…さむっ…土方さん起こしに行かなきゃ」
沖田は毎朝早朝に目を覚ます。
隣では気持ち良さそうにまだ美海が布団にくるまっている。
皆さんおはようございます。
沖田総司です。
もうすぐ12月なため、朝から寒いです。今回は番外編なため、私が仕切らせてもらいます。
沖田は布団を畳むと、美海の布団を掛け直した。
近くにあった黒い羽織に腕を通す。
寒いなぁ~…。
部屋を出ると、一段と寒く、早く火鉢を取りに行かなきゃと思う。
スパーン!
「ひっじかったさー―ん!朝ですよー!!」
「んぁ?」
土方は布団に潜ったまま動かない。
沖田はズカズカと部屋に入る。
「ひっじかったさー―――――――ん!」
「あー…。わかったわかった…」
「今日はしてくれないんですか?」
沖田がそう聞くと土方はグリンと顔を向ける。不機嫌そうな顔だ。
「今何時だ…?」
「5時です」
「誰が起きてる?」
「多分ほとんどが寝てるかと」
「仕方ねぇな…。少しだけだ。総司も準備しろ」
「はい♪」
沖田は嬉しそうに跳ねるとまた再び部屋に戻った。
美海も寝てるため、さっと着替えて髪を結う。
もちろん美海は沖田が起こすまで、自分から起床することは滅多にない。
よかった~!今日も土方さん起きてくれて♪
沖田は身支度を整えると、急いで部屋を出た。
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