
桂を押し倒した状態で三津は何度も口付けを落とした。
「ちょっ!三津っ待っ……!」
心の準備が出来てない。まさか三津に襲われるなんて。
『いや心の準備って私は初な女子か……。』
三津の奥手さに慣れ過ぎて積極的な相手にはどうしていたかを忘れてしまった。
『これが三津の甘えるなのか?彼は今までこんないい思いをしてたのか?』https://www.easycorp.com.hk/zh/virtual-office
ぼーっと考えていたらどんどん口付けが深くなっていった。
それには堪らず三津を押し返して今度は形勢逆転。三津を押し倒した。
視界が反転して目を瞬かせていた三津は桂を見上げて笑みを浮かべた。
「おやすみなさい。」
「……え?」
満面の笑みでおやすみなさいと告げた後,瞼はしっかり閉ざされた。
「え?何言ってるの?ここまでしといて寝る?今私がどんな状態か分かる?ねぇ分かるよね!?」
肩に掴んで揺さぶるも,ヤダ!眠い!を繰り返して頑なに目を閉した。
「ヤダじゃないよ!それは私の台詞だ!三津!」
頼むから起きてくれっ!甘えてるんじゃなくて酔っていただけだった。それに酔って寝ている子を襲うなど男として出来ない。
『最悪だ……。』
また悶々とした夜を過ごす羽目になった。
翌朝目が覚めた三津は記憶がない。
『あれ……いつ寝たんやろ……。』
目をこすって体を起こせばちゃんと布団に入っていて隣の布団には桂がいる。
酒を少し呑んだところまでは覚えている。
それで寝てしまった自分を桂が寝かせてくれたんだと思った。
「小五郎さん……ありがとうございます。」
起こさないように小声でお礼を告げて頬に唇を寄せた。
「やっと起きた?昨日私にしたこと覚えてる?」
しっかり顔を両手で挟まれた。にっこり笑う桂の笑顔に相当な事をやらかしたんだと悟る。
「す……すみませんでした……。」
よく分からないがとりあえず謝るべきだ。条件反射で謝るも,
「絶っ対許さない。」
「あの……どんな粗相を……。」
しでかしたのか教えてくださいと懇願するも桂は三津から手を引いてそっぽを向いた。
「一から教えてあげたいけど,どうせ“私そんな事しませんっ!”って信じないだろうから教えない。」
『あ……拗ねた……。』
怒っていると言うよりは不貞腐れてるように見えた。
その顔は三津にとっては大好物。大人の男がむくれる顔が可愛く思えてしまう。
「そんな拗ねた顔せんとってくださいよぉ……。」
実はその拗ねた顔大好きです。もっと見せてください。と言う本音を胸の内に秘めて背を向けた体を揺すった。
「……じゃあ教えてあげる。君は昨夜こうやって私に体を預けてきた。」
三津の手首を掴んで引っ張り自分の胸に抱き留めた。
「それから無理矢理唇を奪ってきた。」
左腕を三津の腰に巻きつけ逃さないようにしたまま,右手を頬に添えて親指の腹で下唇をなぞる。
「ご丁寧に舌まで絡めてきて私をその気にさせた挙句……寝たよね。」
妖しく笑った桂の顔が妖艶を通り越して不気味だった。
これはごめんなさいじゃすまないのも分かった。
「他には何を……。」
「サヤさんを見習えって言った事を根に持ってた。絶対許さないって言われた。」
『せっかく無かった事にしたのにまさかここで……。』
何やってるんだ自分……。せっかく終わらせた喧嘩を自分で蒸し返すなんて何たる不覚……。おまけに絶対許さないと悪態までついただと?
「ごめんなさい……。」
これは許さないと言われても仕方ない。項垂れて落ち込んでいると優しい手つきで頭を撫でられた。
「私が言った事で三津を傷付けたのは事実だ。悪かったよ。許してくれる?」
「私の方こそすみませんでした……。」
「うん,絶対許さないこの女好きって言われたのは凄く傷付いた。」
そんな事まで言ったのか……。三津の顔から血の気が引いた。
「どうしたら許してもらえますか……。」
このままでは本当に愛想尽かされる。三津は半泣きでどうしたらいい?と問いかけた。
「もういいよ。酔っていたんだし私も三津を傷付けてたんだ。」
これで本当にこの話は終わりにしようと笑みを浮かべ,仲直りのしるしにと頬に口付けた。
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