その相手にさらしを投げつけて部屋を飛び出してしまった。
だけど,その前の橘に対する態度は冷た過ぎた。
それは自分には見せない顔の一つだったのか。
もう少し歩み寄ってみないと分からない。https://newsbreak.com/1714735/3262914770372-understanding-adenomyosis-symptoms-causes-and-treatment-options-explained-by-a-seasoned-doctor 三津は徐に立ち上がると,そのまま土方に会いに行った。
「土方さん…。」
控え目に障子から顔を出して部屋の中を覗いたら,文机に向かう背中があった。
「…失礼します。」
きっと聞こえてるのに,土方は返事をしてくれない。
いつもの事だけど,いつもより寂しく感じる。不安になる。
「土方さん,さっきはすみませんでした…。」
視界に入る位置で正座をして,畳に額をつけた。
「馬鹿やろう!」
降って来たのは罵声と拳骨。びっくりし過ぎて目が点になる。
また怒られたとしゅんとしたけど,土方の顔は怒っていなかった。
どっちかと言うと呆れてた。
「その足で正座なんかしやがって。阿呆が。」
「あ…阿呆です…。」
否定はしない。いや,出来ない。背中を丸めて苦笑いで頬を掻いた。
「だから正座止めろ。」
土方は溜め息混じりに吐き捨てて鋭く睨んだ。
三津はあたふたしながら足を崩して座り直した。
「その足だからって仕事は休まさないからな。俺は甘やかさないぞ。」
三津は素直に頷いて甘えるつもりはないと言い切った。
甘やかさないと言いつつ,足を崩すのを許してくれた些細な優しさに,頬が緩みそうになる。
『これも土方さんの奥深さなんかな。』
三津は黒々した瞳で土方の顔を凝視した。
「何見てんだ。」
土方は不快感を露わにして眉根を寄せる。
三津は何でもないと首を横に振るが,“あぁそうか”で済ませる土方でもない。
「俺の事が気になるのか?」
三津の顎を持ち,息がかかる程の距離まで顔を寄せた。
それでも三津の瞳は整った顔を映して,“はい”と答えた。普通の女ならこれだけの至近距離で見つめたら,恥じらって頬を赤く染めたりする。
三津が小娘と言うのはさて置いて,男と女が一室に二人きり。
こんなに間近で見つめ合って,互いの呼吸を感じてるんだ。
そんな気が無くとも鼓動は跳ね上がって,それとなく互いを意識してしまうものではないか?
何か起こる事を期待するのが普通じゃないか?
『何で動じん…。』
三津は興味津々な目で“土方さんの事が知りたい”と言っている。
色気なんて微塵もない。
これ以上発展する雰囲気も皆無。
「お前はまず人を疑う事を知れ。」
顎を持っていた手で,白くて掴み心地の良い頬を引っ張ってやった。
三津は何で何で?と首を傾げてさらに土方の目の奥を覗き込む。
遊女やそこいらの女なら間違いなく落ちると言うのに。
『俺をおちょくってるとしか思えんな。』
土方の男しての自信さえ打ち砕く,濁りのない瞳。
きっと男を知らないんだ。
土方の豊富な経験がそう決めつけた。
「そんなに俺の事が知りたいか?」
三津は好奇心に目を輝かせて,土方の問いに大きく頷いた。
総司でも簡単に語り尽くせない男の話を本人から聞けるのだ。
「だったら体で教えてやるよ。嫌って言う程,骨の髄まで。」
土方は妖しげに口角を上げた。
三津の肩に腕を回して,膝の裏にも片腕を滑り込ませてすくい上げたら,三津の体は簡単に仰向けに転がった。
土方に腕枕をされてる状態になり,三津は呆然と土方の顔を見上げた。
近期熱門活動...
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