
には、心底びっくりしてますっていう表情が浮かんでいる。
「ぼくに関しては、土方君、きみのことが好きだからだよ」
「ごほっ!ぐはっ!」
その衝撃的な告白に、副長がむせた。腰を二つに折り、咳き込んでいる。
俊春が、すぐにその背をさすりはじめる。
さすがは俊春である。iambravesteve.wordpress.com「ぽち」という二つ名は兎も角、「狂い犬」という二つ名は伊達じゃないらしい。
かれは、こんな爆弾発言を喰らってもなおポーカーフェイスを保っている。の隊士たちは、俊春のようにはいかない。どのにも、まずは驚愕が浮かんだ。それから、ニコニコ顔の大鳥をみ、そのまま
をいまだ咳き込んでいる副長へ向ける。
刹那、ほとんどのがゆるんだ。
つまり、ニヤニヤ笑いになったわけだ。
脚許をみおろすと、相棒も尻尾を振り振りしながらじっとみつめている。
しかも、その狼面は笑っている。相棒まで面白がっているんだ。
みな、あきらかにめっちゃ面白がっている。
「なんと……。大鳥先生は、副長を愛しているのか?おねぇが副長のことを、心の底から愛していたように?」
そんな絶望チックな声音のつぶやきが、耳に飛び込んできた。はっとしてそのトピ主を探してしまう。
斎藤である。
声音は絶望的というかせつないっていうか、追い詰められた感がぱねぇくらいに漂っていた。
しかも、かれのはさらにヤバくなっている。
副長と斎藤の仲はそんなんじゃないと、さんざん否定しまくっていた。それなのに、いまの斎藤のをみていると、そんなおれのかれらへの信頼がゆらぎはじめてしまう。
もしかして、もしかするとなのか?
「斎藤先生、落ち着いてください。おねぇは兎も角、大鳥先生は人であるとは伝えられていません。ですから、本来の意味での愛ではないんじゃないですか?ご本人も、『好き』とおっしゃったでしょう?そういうことなら、おれだって副長を好きです。きっとのなんですよ」
そうはいってみたものの、大鳥の性癖についてはウィキ等web上でみかけなかっただけかもしれない。そもそも、伝えられていないって可能性もおおいにある。
この時代、衆道はフツーの文化である。よほどスキャンダルを起こすか、パートナーをとっかえひっかえっていうような、それこそ百人斬りとか千人斬りとかしないかぎり、面白みのないフツーの出来事をわざわざ伝えるわけもない。
ということは、じつは大鳥も人って可能性が十二分にあるわけだ。
ってか、そんなプライベートな話題はどうでもいいじゃないか。
人なのではないか」
不意に斎藤がこちらを向いた。
そのが潤んでいるようにみえる。
それはきっと、いまのおれの立っている場所が陽射しをまともに受けているから、直射日光にが潤んでいるようにみえているだけなのにちがいない。「えっ?どういう意味なのです?」
「主計が副長を好きなことはしっている。おぬしの申す好きというのは、愛のことだ。八郎やおねぇのことも愛しているのであろう?ゆえに、大鳥先生も同様というわけではないか」
「ちょっ……。斎藤先生、それはおおいなる誤解だと……」
ソッコー否定しようとしたが、あきらめた。
斎藤は、永倉や原田とちがっていろんな意味で真面目すぎる。たとえ誤解であろうと、あっいや、実際誤解なのであるが、兎に角「主計は、副長と伊庭とおねぇのことを愛している気のおおいゲス野郎」と、すでにすりこまれてしまっている。
それを否定した上で真実へと導くのは、思想を根本からかえるよりムリな気がする。
たとえば、おれが女性をいっぱい連れてきてハーレム状態なところをみせつけたとしても、かれはきっと「副長と伊庭とおねぇにくわえ、まで愛する鬼畜生」と、おれへの認識をさらに悪化させるだけにちがいない。
ぶっちゃけ、労力のムダである。
斎藤よ。七十一歳に結跏趺坐の姿勢で死ぬまで、「相馬主計という男は男好きの女好き」と、ぜひとも語り継いでくれ。
こうなれば、ひらきなおってやる。
「大丈夫かい、土方君。ぼくはね、きみのように熱くてまっすぐで、それなのにどこか護ってあげたいような繊細さをもっている美男子が大好きなんだ。まぁ、たしかに部下のなかには新撰組のことを怖がっている者もいる。しかし、それもきみという男をみれば、すぐにでも払拭されるよ。でもね、ぼくは俊春君みたいに控えめで頭がよくって、そのうえ驚くほど強くてかわいい男子も大好きだけどね」
面白がってみている隊士たちも、一様に凍りついてしまった。
大鳥さん。あんたいったい、どういうセンスをしているんだ?ちゃんとみているのか?
俊春にたいしての評価はうなずけるが、副長の
「だとすれば、やはり大鳥先生は
近期熱門活動... |