実際のところ地盤獲得のための揉め事が主であったが、賊も居たので間違いではない。急にやって来たので席もない、大至急用意させるよう曹操が手配をする、そして一つ過去の事柄を思い出した。視線を末席付近にやり、袁紹へと戻す。
「盟主殿、一つ提案が御座います」
「なんだ孟徳、言ってみるんだ」
「袁術殿は並みいる諸侯の中でも後将軍と高位であり、盟主殿の従弟でもあります。諸侯の面々も増え、軍規模が膨れ上がりました。副盟主を設置し、袁術殿にその地位について頂いてはいかがでしょうか」
軽く拱手をして持ち上げるような発言をすると、避孕藥牌子 袁術は曹操を一目見た。袁紹は小さく頷くと「諸侯らに問う。後将軍袁公路が連合軍の副盟主として相応しいと思えば称えて欲しい。そうでないと思うならば盃を置いて貰いたい」一拍置いて皆が称えた。反対をしても何一つ良いことなど無いから。
「どうだ公路殿、引き受けては貰えないだろうか」
本当ならば袁紹の副え役など気に食わなかったが、他と同列はもっと気に入らない。笑顔を浮かべて「僭越ながらお引き受けいたしましょう」外面を気にして躊躇なく頷く。
袁紹の隣に席が設けられ、孫堅と劉祥は末席に付け加えられた。劉備と孫堅が隣になり軽い挨拶をする、そして劉備の一つ先に座っている島介の傍に歩いて行った。
「島殿、お久しぶりでありますな!」
「はは、お互い壮健のようでなにより」
南陽での邂逅から数年、二人は官位を上げてこうやって諸侯の一人として国運を左右する場所を占めていた。「聞きましたぞ、虎牢関を騎馬で攻めたとか。何とも鳥肌が立つような話に、某つい立ち上がり申した。ははははは!」
「奇策に頼らねば関所の一つも落とせぬような未熟者でしかないですよ。そして上手く行ったのはこちらの劉備殿の助力のお陰でね」
隣にいる劉備をサラッと紹介すると、彼は立ち上がり「劉玄徳に御座います。孫堅殿のご高名は伺っております」拱手拝礼する。
「これはこれはご丁寧に。孫文台という、どうぞ良しなに」
込み入った話は後程と切り上げて急遽作られた席につく。場に馴染んだところで曹操が切り出した。
「諸侯らよ、成睾には勇将華雄が居り、そこへ胡軫の部将である王方が増援として加わった。兵は一万五千でしかないが、城壁は高く糧食も豊富、これを落とすのは一筋縄ではいかぬでしょう」
そもそもこの時代、物理的な問題で石壁で囲われた城を陥落させるのは極めて困難。叩いて壊れるわけではないし、砲撃武器など無い。外壁を壊すには投石器を製作し運用するしかなく、それには数か月もかかってしまう。壁を越えるにも専用のものを製作するにはやはり時間が掛かる、そのようなことをしているうちに兵糧は消え去り軍は解散するだろう。
「一方でこちらは十万の大軍。一部で城を包囲し、残りは洛陽へ向けて進軍するというのはいかがだろうか?」
遊んでいる兵がいるのだから運用を別にするのは悪い話ではない。大体にして成睾を落とさなければ進めないわけでもないので、理にかなっている。
「主軍が進み、後方からも攻められては挟み撃ちになってしまう。目の前の城を獲り、安全を確保した後に進めば良いではないか」
近期熱門活動...
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